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2016/08/24

夏季公開研修会~AT・ICTを活用した取組~

| by:企画総務課

 8月24日夏季公開研修会を実施しました。
 香川県立高松養護学校の谷口公彦教諭を講師にお迎えし,「肢体不自由におけるAT・ICTを活用した取組」についてご講演いただきました。
 内容としては,高松養護学校での実践のご紹介を中心にしながら,AT・ICTを活用した肢体不自由のある子どもたちの学習や活動,コミュニケーションについて4つの話題がありました。

 

 <その1>高松養護学校のAT・ICT活用研究に流れる考え方

   
 「とにかく本人にやってもらわないことには本当のところがわからない」

 谷口先生がおっしゃるように,肢体不自由があることで,子どもたちが活動するときには常に教員の支援が介在し,「できること」や「わかること」「どこから困難なのか」が曖昧になっている現状があります。私たちは,児童が示す「動き」から意図や感情を読み取るようになっているため,検証のない解釈や仮説だけで日々の学習や活動が展開されてしまうとのことです。高松養護学校では,教員の支援を最小限に抑え,子どもたちにやってもらうことで,子どもたちの動きや様子を見えやすくすることにATやICT(スイッチやVOCA等の支援機器)機器導入の意義があると考えているとのことでした。
 
  <その2>高松養護学校でのAT・ICT活用
 
  「ICT教材等データベースの紹介」
  香川県教育委員会のホームページにアップされている。「笑顔がたくさん」「調 理済みのレシピが中心」「説明は詳しくありません?」という3つの特徴があるそうです。ぜひご覧ください。

 
 「ICT機器の3つの視点」
 活用シーンを広げるために3つの視点があると考えているそうです。その視点に応じた実践例を紹介してくれました。
     ・「自分で使う」
  ・「指導者と使う」 →自分では使えないけど,何ができるかを理解して指導者に「一緒に調べてく
             ださい」と依頼して活用する。
  ・「指導者が使う」  →算数の授業で教員は離れた場所で児童のタブレット端末をモニターで確認す
            る。先回りした支援を取り除き,児童が試行錯誤する機会やわからない時に手
            を挙げて聞くというスキルを身につけていました。



   <その3>ICTも使って街に飛び出せ!「高養ウィッシュプロジェクト」

 
 「家族や先生と離れて,君はどこまでいけるのか?」

 発想のベースはAACで「手段にこだわらず,現在その人の能力と様々な手段を組み合わせて」活動や社会参加を広げていくそうです。プログラムは事前準備(教員や保護者に相談を持ちかけながら計画)・外出・振り返り学習(お互いの体験を共有する)の3つのパターンで構成しているそうです。ビデオで実際に街に飛び出して行く姿の紹介がありました。自分でプランを考え,実際に一人で外出し,自分で情報を探したり,援助を依頼したりする姿は本当にたくましいと感じました。このプロジェクトを通して,観察力や判断力があがる,行動スキルの高まり,行動範囲の広がりが見られたそうです。
 さらに「ウイッシュチャレンジ」として校外学習で取り組めるようにできるだけコンパクトな計画としつつ,「できるけど今は人に頼む」という視点を取り入れ,ウィッシュの指導のノウハウを活かせる指導プログラムを作ったそうです。このプログラムでは,自発的に支援を求めながら活動する様子も見せていただきました。「自発的」というところが大切なんだなあと感じました。
 また,ウィッシュプロジェクトでのAT・ICTの活用術の紹介もありました。使い手に合わせてざまざまな工夫がされていました。


その4>テクノロジー×テクニック×視点で変える重度重複障害のある子どもとのコミュニケーション

  
 「コミュニケーションは「黙って観る」ことから」

 子どもを観察するテクニックとして本校でも実践している「OAK」の紹介がありました。エピソードによる実態について「本当に?」と問いに答える難しさは客観性や再現性に問題があることや検討が深まらないことが挙げられるとのことでした。BeforeとAfterで区切りをもうけて「比べて観る」ことで客観的な事実がわかる,この「比べて観る」ことが大切だということでした。「比べて観る」アプローチに東京大学先端科学技術センターが開発したテクノロジー「OAK」を取り入れて実践されていました。「OAK」によって黙視では見えないような小さな動きを見つけられ,見比べることで見えなかった実態が見えてくることにより,適切な支援の方法が見つかったり,児童の選択肢の広がりが見られました。

 実践例を写真や映像で紹介してくれたので,谷口先生のお話を「見てわかる」ことができました。街に出て生き生きとして活動している児童たちの姿が本当に目にやきついています。あっという間に時間が過ぎていく研修会でした。この研修が子どもたちに返っていくことが大いに期待できると感じています。


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